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月とくらげ


ほら魚の子どもたちが

桜の木の根っこに

なにか埋めている


みりゃ自分らの骨や背びれに

一生けんめいに土をかけている


わたしのからだは

わたしのもので

そんな当たり前のことなのに


昨夜きみがぽつりと言った

「もう、どこにでも行っちまえ」と


ゆううつが消えてしまうんだ

あとわずかなんだ

骨がとける


わたし海にうかぶ

くらげの子

ビニールのくらげ

ほら 穴だらけ


ほら魚の子どもたちが

わたしのうしろを

楽しそうについてくる


ライブハウスの地下の匂いは

海底みたく

すえた匂いだよ


ゆううつが消えてしまうんだ

あとわずかなんだ

鼻がもげる


わたし海にうかぶ

くらげの子

ビニールのくらげ

ほら 穴だらけ


月のうさぎを

背にのせて

ぷかぷかゆくわ

歌いながら


ほら 穴だらけ

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