エミリ海の匂いよく晴れた朝ガラスの破片を手にとってべっこう飴みたいだと口の中に入れたひらり スカートめくれはらり 指の皮もあぁ ぜんぶ 抱いてきみは 踊る 踊る目をつむりたいな耳も塞ぎたいな口は生暖かいねぇ 仰向けにして べた塗りみたいな空クリームパンみたいにあっけなく千切れた雲 雲 雲もっと笑わせてよもっと聴かせてよここはゼリーの海クランベリー味の海甘い 切ない 冷たい しょっぱいなぜんぶここにあるエミリまた会おうエミリまたね
海の匂いよく晴れた朝ガラスの破片を手にとってべっこう飴みたいだと口の中に入れたひらり スカートめくれはらり 指の皮もあぁ ぜんぶ 抱いてきみは 踊る 踊る目をつむりたいな耳も塞ぎたいな口は生暖かいねぇ 仰向けにして べた塗りみたいな空クリームパンみたいにあっけなく千切れた雲 雲 雲もっと笑わせてよもっと聴かせてよここはゼリーの海クランベリー味の海甘い 切ない 冷たい しょっぱいなぜんぶここにあるエミリまた会おうエミリまたね
モルモット枯草の匂いに焦がれているの だってここはガス臭くて 土の上に 桜んぼが落っこちて ルルル 大きな靴に 踏まれてしまった やさしく 撫でてあげようか それとも 土の中に埋めてみようか あたしモルモット あなたの不幸をエサにして 今日を生きている 喉につまって鼻歌 風の中で 声を殺して笑っている ポプラの葉 やさしく 撫でてあげようか それとも 土の中に埋めてみようか 埋めてみようか あたしモルモット
くるまやさんのおにいさんくるまやさんのおにいさん おなじ町内にすむ 道端でくるまをうってる だから くるまやさんのおにいさん しごとがおわると 八百屋さんでアーティチョークかって くるま形のおうちに帰り きょうもくるまの夢をみる 休みの日はなにしてるかな プラスチック溶かして 泥で固めて つくっているの ひみつのパーツ くるまやさんのおにいさん くるまやさんのおにいさん ほんとはコックさんになりたかった モロッコ料理のお
月とくらげほら魚の子どもたちが 桜の木の根っこに なにか埋めている みりゃ自分らの骨や背びれに 一生けんめいに土をかけている わたしのからだは わたしのもので そんな当たり前のことなのに 昨夜きみがぽつりと言った 「もう、どこにでも行っちまえ」と ゆううつが消えてしまうんだ あとわずかなんだ 骨がとける わたし海にうかぶ くらげの子 ビニールのくらげ ほら 穴だらけ ほら魚の子どもたちが わたしのうしろを